プールは温水（28〜32℃）で、広さは奥行き2m、長さ8m、深さが0.9m　です。予約制になっていて、専門のインストラクターの方が付いてくれます。通常は時間制(1クール約1時間）で1匹ずつの利用となりますが、同じお家のワンちゃんやいつも一緒に遊んでいるワンちゃん達の場合は、複数で利用も出来ます。泳ぐのが好きなワンちゃん達が遊びに来る他、「スイミングセラピー」も行なわれています。
　 取材に伺った日には、バセットハウンドのいんげんちゃん（8ヶ月、女の子）がこのセラピーを受けていました。いんげんちゃんは、骨盤に異常があった為、手術を行なった後のリハビリとして、スイミングセラピーを行なっています。
　 この療法は、愛犬の体に負担をかけないで、関節炎・股関節形成不全・肘関節形成不全やいんげんちゃんのように整形外科手術からの回復期にあるワンちゃんの治療に良い効果が出ているようです。その他、肥満や麻痺等の症状に苦しんでいるワンちゃん達にも有効です。療法を行なう際には、専属の獣医さんによる健康診断が行なわれ、問題がなければ、ライフジャケットを着用して、シャワーをした後、インストラクターさんと一緒にプールに入ります。インストラクターさんの指導の下、ワンちゃんは泳ぎ(勿論犬かきです。）ます。
泳ぐ時間は、そのワンちゃんの状態を見ながら決められます。しばらく泳ぐと休憩を入れ、ゆっくり休んだら、また泳ぎます。いんげんちゃんは、このスイミングセラピーを行うようになってから、主治医の先生が驚かれるほど、順調に回復しているそうです。負担のかからない状態で水を蹴る行為が筋肉の増強につながっているのだろうと思われます。しかも、いんげんちゃんは実に楽しそうにこのスイミングセラピーを受けています。来店された時も本当に嬉しそうでしたので、いんげんちゃんにとっては楽しくて尚且つ、体にも良いという二つの効果があるようです。お店のスタッフの方達も皆、ワンちゃんが大好きで温かく迎えられますので、ワンちゃんにも伝わるのでしょう。このような状態でのセラピーだからこそ、効果が現れるのだと思われます。このセラピーは、スウェーデンにある犬のための総合セラピー施設「BELKINGE HUNDSIM」と契約し、スタッフが研修を受けて会得した技術です。また、プールのお湯は温泉ではありませんが、塩素を使わない消毒方法で管理されているお湯を利用しています。
　写真は、ラブラドール・レトリーバーのあずきちゃんです。（7ヶ月、女の子）あずきちゃんは、初めての水泳でした。最初はちょっと水を怖がっていましたが、さすが、ラブラドールです。5分も経たないうちにライフジャケット無しでスイスイと泳げるようになりました。

　まだまだ日本では数の少ないハイドロセラピーを行なっている施設です。今後、関節等の疾患や肥満に悩む多くのワンちゃんにとって、良い効果が出ることを期待したいと思います。